アルスマグナに落ちるまで
アルスマグナに落ちるまでの私はずっとKinKi担、いうところのジャニオタで、それこそ人生の半分くらいはKinKiを応援していた。
そんな私がなぜ突然アルス沼に落ちたのか。
沼に落ちるのはいつも突然だ。それを語りたい。
2年前のある日、飲食店で気になる曲が掛かっていた。
その曲は「サンバdeわっしょい!」だった。
……この時の私はこの曲がきっかけで、アルスマグナに本格的に落ちるとは思っていなかった。
その後数ヶ月の時を経て、その曲を歌っているのが「アルスマグナ」というグループだということを突き止めた。
もちろんその時は「普通」のグループが歌っているのだと思っていた。歌声からするに男性が1人、あとは演歌歌手の方?コラボか?くらいの軽い気持ちでGoogle検索をしたあの日の衝撃といったら。
……衝撃。
これまでアニオタの道、ジャニオタの道を通ってきて色々と耐性が付いていた私もさすがに驚いた。
「なんだこれは」と。
黒髪と金髪はいいにしても、赤髪も青髪も居れば白髪もいるじゃないか。それに制服?白衣?なんだこれ?
それを見て、ふざけ倒した外見だな、というのが最初のイメージ。
それに対して「なんだこれは」……そう言う以外になかった。
元々アルスマグナはニコニコ動画の「踊ってみた」というジャンルで活動していたグループ。グループ結成当時のことは詳しくはわからないが、おそらく始まりはそこからだろうと思う。
ニコ動を見てはいたものの、「踊ってみた」に縁もゆかりもなかった私だった。
ふざけ倒した外見ならそこまでのレベルではないだろう、なんて思っていた私が馬鹿だった。
ここでまた衝撃を受けた。
「すごい!!!なんだこれ!!!!」
「プロの犯行だ……」
踊ってみた、なんて所詮はアマチュアの投稿しかないんだろう(割と本気で偏見があった。ごめんなさい)とタカをくくっていた私の全てが壊れていった。
どの動画を見ても、どれもこれも間違いなく「プロの犯行」だった。
何より、今までジャニーズのダンスを見てきた私からしたら衝撃だった。
それらのどれとも違う、無意識に惹かれる輝きのあるダンス。一生懸命に踊る彼らの動きの1つ1つが凄かった。
キレのあるダンス、くるくる変わるフォーメーション、難しい技をさもなさげに決めてみせる五人。かと思えば可愛らしく自分を魅せたり、個々の魅力を伝えることも忘れない。
ここまで多彩なジャンルを踊り分ける彼らに驚いた。
しかもその投稿された動画の殆どが、アルスのメンバーの一員、先生の振り付けだと言うんだから更にまた驚いた。メンバーがメンバーを振り付けるなんて、ほぼ聞いたことがなかったから。
セルフプロデュースとまでは行かないにしても、一人一人を理解し、振りをつけ、踊るということがどれほど凄いことなのか。
衝撃に次ぐ衝撃で、私が本格的に落ちるまでそう時間はかからなかった。
ここまでが私の沼に落ちた経緯である。
そうして去年4月にファンクラブに入り、今に至る。
アルスマグナに関しては、正直「2.5次元なんて」と言う人にこそ見てほしいかなとも思う。というか、どちらかの次元を応援するのに疲れた人には持ってこいかもしれない。
2次元にも3次元にも居るなんて今まで聞いたことも見たこともない。今までになかったエンターテイメントだと思う。(私が知らないだけで今までにあったかもしれませんが、そこは目を瞑ってください。)
アルスマグナは2次元と3次元、どちらの良いところも持っている、と思う。
3次元ではまぎれもない本人たちでありながら、2次元として歳をとらない。3次元にありがちな恋愛スキャンダルもなく、2次元にありがちな設定崩壊がほぼない。まさに良いとこどり。
デメリットとしては、終わりがいつ来るかわからない、というところもあるけれど……それは3次元の特性も持つがゆえに避けては通れないところかなと思う。
まぁ今後どうなるかはわからないですが。
もっと一般に認知されてほしいかな。
あとアルスマグナって、下世話なことを言えば「大人の大人による大人のための娯楽」なんだと思う。
背景を含めて、それを全て理解した上で配慮ができ、楽しめる人、いわゆる「大人」向けのグループなのかなと。
(若い人のファンを否定するわけではないことをご理解ください。若い人もちゃんとしてる人はちゃんとしてるし。住み分け大事。)
若い人向けに作られたのかなと思いつつ、中身はとんでもない大人向け。
大人が本気出して考えた、今までにない異端なエンターテイメントの最骨頂というか。
そういうの好きだよ。その証拠に私はまんまとハマった。
なんだろう、総括すると夜空可愛いです。って話でした()